| 旅の友「駅弁」。館長が食べた駅弁を中心に、日本全国と世界の駅弁を紹介します。
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駅弁に関する質問回答集です。ご質問がありましたら談話室(掲示板)への投稿か館長宛の連絡でお願いします。なお、これらの回答は私の知る限りの内容であり、鉄道事業者や駅弁業界の公式見解ではありません。
(現在の掲載項目) 加熱式駅弁の元祖はどこ?(2007年3月)
【A】 ひもを引くと暖まる、水と生石灰が触れると消石灰になる反応熱で駅弁を暖める機構を初めて採用した駅弁は、1987(昭和62)年5月に神戸で登場した「あっちっちスチーム弁当(穴子弁当)」が元祖のようです。 なお、ミスター味っ子では、その作品の中で味っ子がこれを発明したことになっているそうですが、駅弁趣味の世界では定説として採用されていないようです。 どうやったら駅弁屋になれるの?(2004年8月)
【A】 どうすればいい、と聞かれても、私自身が部外者で未経験ですから何とも言えないのですが、少なくとも鉄道事業者とも弁当業とも無関係な個人や業者が一から駅弁屋を立ち上げることは不可能なようです。近年の駅弁への新規参入例を見ていると、その参入パターンは次のように分類できると思います。 (1)鉄道事業者が子会社を作り駅弁を販売させる JRなどの鉄道事業者が列車内や駅構内で弁当や食品類の販売をさせることを目的にした子会社を設立し、駅構内で駅弁も販売します。西日本地区一帯のJR西日本フードサービスネットなど。当然に、部外者がこのパターンで駅弁販売に参入することは不可能です。 (2)街の古参の食堂や弁当屋が駅弁業者となる 市中の食堂や弁当屋が鉄道事業者から駅弁屋の認定を取って駅構内で弁当を販売します。茨城県の水郡線常陸大子駅など。駅弁は調製元に加え鉄道事業者の信用も背負いますから、その参入に際する審査や規制は厳格を極めるそうで、このパターンでの新規参入は滅多に見られません。 (3)鉄道会社とタイアップして駅弁を販売する 鉄道会社と共同開発の形で駅弁をつくり、駅や列車内やイベント時に販売します。宮崎県の高千穂鉄道高千穂駅など。JRや大手は無理ですが地方や中小の鉄道会社なら、または地域の自治体や商工会を巻き込んで、参入ができるかもしれません。ただ、このパターンでは駅弁が毎日販売でないケースが多く、不満を感じる駅弁ファンも存在するようです。 (4)駅構内の売店に弁当を卸し駅弁を名乗る キヨスクなど駅構内の売店に弁当を卸し、駅弁と名乗り宣伝することで世間に駅弁と認知させます。山口県の山口線山口駅など。既存の駅弁屋が存在していたり、売店に他社の弁当が既に置かれている場合には困難かもしれませんが、比較的容易に参入できる方法だとは思いますし、実際に年数件の単位で実例が見られます。撤退も早く、いつの間に消えているケースがあるのが駅弁ファンから見た難点です。 (5)駅前に売店か弁当屋を構え駅前弁当を名乗る 鉄道駅の駅前か駅付近に店舗を構えて、自ら駅弁屋を名乗り駅弁を販売します。沖縄県・ゆいレール壺川駅など。資金と法制面を除き参入に対する規制はありませんが、この形態で販売される弁当を世間に駅弁と認知させるのはかなり困難だと思いますし、少なくとも参入希望駅に駅弁があると無理でしょう。駅弁ファンから見てもあまり感心できない形態のようです。 (6)駅弁大会に弁当を出品し駅弁と名乗る 駅構内でも駅前でも弁当を売らず、デパートやスーパーの駅弁催事に弁当を卸し、駅弁と名乗ります。どことは書きませんが実例は存在します。金銭的な利益は出るかもしれませんが、その商品を除いてどう見ても駅弁とは認識できませんし、少なくとも駅弁ファンの信用は失います。 (7)既存の駅弁屋から営業権を譲り受ける 撤退または廃業を考えている既存の駅弁屋から営業権を譲り受けて駅弁屋となります。または企業買収でも良いでしょう。高知県の土讃線高知駅など。そんな出物があれば一見容易な参入方法に見えて、しかし実例が滅多に見られないことから、何らかの参入障壁が存在しているか、または不採算が目に見えて尻込みされているのかもしれません。駅弁屋の撤退後に近隣の駅弁屋が支店を出すケースは多数あります。 なお、駅弁は昭和四十年代以来の衰退産業です。現時点で駅弁のない駅に駅弁専業で参入しても先行きは明るくないと思われ、最悪の場合には潰れます。仕出屋や食堂や弁当屋として会社の基盤を確立して、それから駅弁を試みるという手順が王道のようです。 日本以外の国に駅弁はあるの?(2004年7月)
【A】 日本と同じイメージで見ることができる駅弁は、当館掲載の日本と台湾の他には存在しないようです。それと似たものとして、韓国や中国の車内販売弁当や、イタリアの駅で売られるランチボックスを挙げる人がおり、特急列車の車中食や発展途上国の駅の物売りあたりになると駅弁としての紹介例がほとんどなくなってきます。 個人的に、駅弁の成立には少なくとも次の要素が不可欠だと考えています。 (1)一日十数本以上の中長距離旅客列車が発着する鉄道路線の存在 (2)駅改札の存在及び鉄道事業者の駅構内販売への強力な許認可権および指導権。 (3)弁当文化。一人で持ち運びが可能な容器を使用し、 調製と消費に数時間の間合いを許し、現地調理なしに食べられる食事の存在。 (4)列車の客室内での食事を許す車内マナー。 旅客を運ぶ鉄道と駅がなければ駅弁はあり得ませんが、それに加え改札口で仕切られた駅構内と、その中で一定期間の商売を営む業者か商人が駅弁を生むと思います。これがない欧州や発展途上国の駅では、旅客が駅舎内や駅周辺のレストランに行ったり、売り子が勝手にホーム上で商品を販売したりして、仮に弁当が売られていても同一ないし類似品の継続的な販売が期待できません。 それに、弁当があり車内で食べられないと駅弁の存在が難しくなります。これには、パンやおむすびの単品ではなく少なくとも弁当やランチボックスの形態で詰められた商品が国民に認知されていること、そしてそれを座席で食べることを許容する文化ないし乗客や列車管理者の理解あることが必要で、意外にもこれが他国にはあまり存在しないようです。一方で列車の食堂車や駅の食堂の充実度は日本の比ではないそうです。 過去にマスメディアの企画でヨーロッパやアメリカで駅弁の販売を試みたケースがあるそうですが、定着することなく消えています。台湾では鉄道趣味の普及や日本の駅弁大会の盛り上がりにより駅弁が活気付きそうで、一方で現在でも一日で一周できる限られた鉄道網を、2006年2月頃に台北・高雄間で開業予定の高速鉄道(新幹線)がさらに縮めることにより、日本と同様の理由で駅弁が衰退する危惧があります。 駅弁は全部で何種類あるの?(2004年6月)
【A】 日本全国に何種類の駅弁が存在するか、多くの方々に興味がある事項だと思いますが、これに対する確固たる回答は誰もすることができません。その主な理由は次のとおりです。 (1)駅弁の定義が確立していない 駅弁は駅で販売されているお弁当と言えますが、それらのどこまでが駅弁と見なせるか、確固たる定義がありません。駅構内のコンビニの弁当、要予約なお弁当、駅弁大会専用商品、車内販売用弁当、旧国鉄の公式な駅弁屋が駅構内でなく駅前で販売するお弁当など、幅広いグレーゾーンに様々な解釈が存在します。なお、当館の定義は「駅弁入門」に記すとおりです。 (2)駅弁を統括する組織が存在しない 鉄道の総延長を国土交通省が把握しているような、駅弁の業者数や商品数を把握する団体が存在していません。昭和の頃はかつて国鉄駅の駅弁屋が強制加入させられた国鉄構内営業中央会の、加盟業者数が駅弁業者数、販売駅数が駅弁販売駅数、弁当の種類が駅弁数の根拠とされてきましたが、これでも私鉄の駅弁がサポートされておらず、その後継団体である日本鉄道構内営業中央会は任意加入となり、サポート外の範囲が拡大しました。 (3)駅弁の新陳代謝が激しくなってきている 駅弁も通常の商品と同じく新商品や発売中止があり、その頻度はますます上がってきているように見えます。年単位や月単位での発売、極端な例では一日限りの駅弁というものまであり、その情報を完全に把握することはほぼ不可能であると言えます。 これらの事情を勘案したうえでおおざっぱに駅弁の種類を推定すると、約2,000〜3,000種類になると思います。「JR時刻表」「JTB時刻表」など市販の月刊大判時刻表に載るものが約千種類、そこに載らない幕の内弁当や私鉄の駅弁が同数程度。駅弁の調製元は最盛期の500社以上からは半減していると思われますが、種類は倍増しています。 地方の駅弁を東京で買いたい!(2004年5月)
【A】 このようなご質問が当館に多く寄せられており、個人的には困っているところです。まずは人に質問をする態度から学習していただきたいと思います。 昔も今も駅弁は基本的に現地の販売駅でしか手に入りません。都内に一年中全国の駅弁が集まっているという考えは捨ててください。なお、次のケースでは都内でも地方の駅弁が購入できます。 1.駅売店や百貨店で常時取り扱われる地方の駅弁 富山駅「ますのすし」「ぶりのすし」が東京と上野の駅弁当売店に毎日入荷していたり、米子駅「吾左衛門寿し」の調製元が都内の百貨店に出店していたり、主に土産物系を中心とするごく一部の駅弁は都内でも毎日入手できます。 ※この回答を書いた後の2004年8月9日、東京駅八重洲中央口に常設駅弁催事売店「駅弁屋旨囲門」が開業し、JR東日本エリアの主要駅弁が毎日買えるようになりました。 2.駅弁大会 スーパーや百貨店や駅構内での催事として、全国各地の駅弁が輸送や実演で販売されることがあります。多くの方々にお馴染みの光景かもしれませんが、食品事故防止の観点から、その開催時期は1〜2月を中心におおむね10〜3月の間に限られます。 3.通信販売 一部の駅弁屋さんはハガキやネットで駅弁の通信販売を手掛けられていますので、そこで注文すれば入手できます。通信販売を実施されていない業者さんでも、電話などで相談すれば駅弁をクール便で送ってくれることがあるそうです。 4.車内販売 地方発都内行列車で始発駅や途中駅で現地の駅弁を積み込んでの車内販売が実施されている場合、それが売れ残れば都内を走行中または停車中の車内で地方の駅弁が買えます。その列車に乗るための切符は別途用意します。 URL : http://eki-ben.web.infoseek.co.jp/ Copyright (C) 2001-2008 まっこうくじら All Rights Reserved. |